劣化したブロック塀は早めに補修を!放置するリスクや補修のタイミングを紹介

皆さんこんにちは。

神奈川県座間市と海老名市を拠点に、住宅の外構・エクステリア工事や景観コンクリート工事を手掛ける株式会社髙野です。


ブロック塀は一般住宅をはじめ、マンションや公共施設など多くの建物の外構として使われています。基本的には頑丈なものですが、年月の経過とともに劣化し、放置すれば台風や地震の影響で倒壊することも少なくありません。


事故を防ぐためには普段からブロック塀の状態をチェックし、問題があれば補修することが大切です。ここではブロック塀の耐用年数や補修のタイミング、リフォーム方法について解説します。




■ブロック塀の耐用年数


一般的なブロック塀の耐用年数(寿命)は、約30年です。コンクリートブロックは耐久性が高く、しっかり基礎を作って内部に鉄筋を通すなどしていれば、とても頑丈な塀になります。多少のことではびくともせず、永久に使えるように思えるかもしれません。


しかし、ブロック塀は屋外にあり、常に風雨や気温の変化にさらされる環境に置かれています。そのため、ブロックの内部に水が浸入・凍結することによるひび割れや鉄筋のサビ、その他化学的な変化、そして地震や地盤沈下などの影響により、劣化して強度が低下してしまうのです。決して永久に使えるものではなく、定期的な補修・更新が必要になります。




■劣化したブロック塀を放置すると起こるトラブル



ブロック塀が劣化していても、普段は特に問題なく感じられ、補修せず放置するケースも多いでしょう。しかし、劣化したブロック塀を放置すると、台風や地震などで強い力が加わった際、倒壊してしまうおそれがあります。


その際、近くに人がいれば、倒壊したブロック塀の下敷きになるなどして死傷事故につながるでしょう。崩れるブロック塀の重量は100kgを超えることもあり、ぶつかったり下敷きになったりすれば、ほぼ確実に大きな被害を受けます。また、崩れたブロック塀が道を塞ぎ、避難や緊急車両の通行の妨げになってしまうかもしれません。


実際に、平成30年6月18日に発生した大阪府北部地震(最大震度6弱)では、小学校の古いブロック塀が倒壊し、小学4年生の女児が下敷きになって死亡するという痛ましい事故が起きてしまいました。このブロック塀はそもそも施工不良があったのに加え、内部の鉄筋が腐食しており、地震で破断したことがわかっています。


さらに、この事故を受けて全国各地で調査が行われた結果、安全性が確認できないブロック塀が大量にあることが判明しました。そのため、このような事故が二度と発生しないよう、各地で危険なブロック塀の撤去が推進され、撤去費用を補助する制度を設ける地域も出てきています。尊い人命を守るためにも、ブロック塀の劣化を見逃さないようにしなければなりません。


そして、所有・管理するブロック塀が倒壊して他人に危害を加えた場合、所有者(占有者)は損害賠償責任を負うことになります。過去には賠償金額が数千万円以上となった事例もあるなど、経済的な負担となるのは間違いありません。自分の身を守る意味でも、自宅や管理物件にブロック塀があるなら、普段から劣化の状態をチェックしておくべきなのです。




■1981年以前に作られたブロック塀は特に危険です!



古くて劣化したブロック塀はどれも倒壊のリスクがありますが、特に危険なのが1981年以前に作られたものです。実はブロック塀の倒壊は昔から問題になっており、何度か規制が強化されてきました。特に大きかったのが1981年の建築基準法改正で、高さ上限が3mから2.2mに引き下げられるなどしています。


そのため、改正後に作られたブロック塀はこの基準に従っているのですが、改正前に作られたものを作り直す義務はなく、新基準に沿っていない古いブロック塀が多数存在しているのが実情です。このような状態を「既存不適格」といいます。当然ながら強度不足などの問題があり、単純に古くて劣化が進んでいることも手伝って、倒壊リスクは非常に高いと考えなければなりません。


また、2019年1月には大阪の事故の影響により、建築物の耐震改修の促進に関する法律施行令が改正され、一定の条件を満たすブロック塀の耐震診断が義務付けられました。条件は1981年以前に作られたブロック塀であることや、建物が多く集まっている道路に接していることなどです。これらの条件に当てはまるブロック塀は耐震診断を行い、問題があれば改修する必要があります。


もちろん、耐震診断が義務付けられていないブロック塀や、1981年より後に作られたブロック塀でも、定期点検や耐震診断をしておいた方が安全です。どんなブロック塀でも劣化は避けられませんし、実は現行法に沿っていなかったというケースもありえます。わからない時は、一度専門業者に点検してもらうといいでしょう。




■ブロック塀を補修するタイミング



ブロック塀の耐用年数は30年程度なので、少なくとも30年に1回は点検や補修・交換が必要です。それ以外にも、劣化の兆候が現れているなら、すぐに点検・補修する必要があります。以下のような症状が見られるなら、補修を検討した方がいいでしょう。


・広範囲にひび割れが見られる場合

ブロック塀の広範囲にわたってひび割れが見られる時は、早めに補修をしないと危険です。相当なダメージを受けている証拠なので、台風や地震によって力が加えられた際、一気に倒壊するおそれがあります。異常がはっきりと目に見える分わかりやすいので、見逃さずに補修しましょう。定期的にクラックスケールでひび割れの大きさを測定し、状態を把握しておくのも有効です。


・苔やカビが生えている場合

ブロック塀の広範囲にコケやカビが生えている場合も、補修を検討する必要があります。「確かに見栄えは悪くなるけど、耐久力とは関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、それは大きな誤解です。


コンクリートブロックはセメントを原料としており、通常はph12~13の強アルカリ性です。そのおかげで、内部の鉄筋がサビるのを防いでいます。ところが、苔やカビが生えていると、ブロックのphを下げる「中性化」が促進されます。その結果、内部の鉄筋の耐腐食性が低下し、サビついてしまうのです。普段から丁寧に掃除をし、対応しきれないほどの苔やカビが生えてきたら、補修を検討しましょう。


・白華現象が発生している場合

白華現象とは、ブロックの表面に白い汚れが浮き出てくる現象です。コンクリートブロックの石灰成分(炭酸カルシウム)が水に溶けて表面に染み出し、空気中の二酸化炭素と反応して固まったり、水分が蒸発したりすることで発生します。


白華現象はブロック塀の外観を悪くするものの、それ自体が有害なものではありません。しかし、白華現象が発生したということは、ブロック内部に水が浸入してアルカリ成分が溶け出ており、ブロックの中性化が進んでいることを示しています。念のため、専門業者に点検を依頼するべきでしょう。なお、浮き出た白い汚れは、ナイロン製のブラシなどで優しくこすると落とすことができます。




■ブロック塀のリフォーム方法



劣化したブロック塀をリフォームする時は、いくつか方法が考えられます。主な方法を確認しておきましょう。


・撤去して新しくする

ブロック塀が現行法の基準をクリアしていない場合や、劣化が激しく補修では対応していない場合は、完全に撤去して新しく作り直す必要があります。費用相場は1㎡あたり2万円~3万円程度、撤去するだけなら1㎡あたり5,000円~1万円程度です。なお、自治体によっては撤去の際に補助金が受け取れる場合があるので、事前に確認してみてください。


・補修、塗装する

ブロック塀が現行法の基準をクリアしており、劣化がそれほど激しくない場合は、ひび割れの補修や塗装で対応できます。費用の相場は、ひび割れの補修なら1㎡あたり1万3,000円~2万円程度、塗装なら1㎡あたり2,000円~5,000円程度です。


・フェンスや植栽を設置する

ブロック塀を撤去した上で、その他のエクステリアを設置する方法もあります。代表的な方法がフェンスで、ブロック塀に比べて軽量のため、倒壊した時の危険性が低いのがメリットです。目隠しフェンスなら外部からの視線も気になりません。


また、植栽を植えるのもいいでしょう。圧迫感が少なく、高いデザイン性と目隠し効果、植物の温かみを兼ね備えているのがメリットです。ただし、お手入れに手間がかかる点にご注意ください。




■実は、ブロック塀もおしゃれにリフォームできます!



ブロック塀の色はグレーが一般的で、少々味気なく感じている方もいると思われます。そのような時は、もっとおしゃれなブロック塀にリフォームしてみましょう。


たとえば、ブロック塀を好みの色にカラー塗装すると、元がコンクリートとは思えないおしゃれな印象に早変わりします。油性塗料を使うと剥がれやすくなるので、透湿性の高い水性塗料を使うのがポイントです。


また、左官工事によって表面に変化を出すのもいいでしょう。モルタルや「ジョリパット」などの左官材料をコテで塗れば、職人の腕次第で自由自在に模様を作れます。ブロック塀のつなぎ目を隠すこともできますし、上からタイルやレンガを貼り付けることも可能です。一般的なブロック塀のイメージにとらわれず、遊び心いっぱいの塀を作ってみてはいかがでしょうか。




■ブロック塀の撤去や施工はプロに依頼を! 髙野にお任せください

 

ブロック塀の撤去や補修をする場合、DIYで行おうと考える方もいると思われます。しかし、DIYによるブロック塀の施工はおすすめできません。なぜなら、撤去や設置の作業中にも、ブロックの落下や倒壊のリスクがあるからです。


また、ブロック塀は一見ブロックを積み上げているだけのように見えますが、実際にはしっかりと基礎を作り、内部に鉄筋を通すなどして強度を高めています。その他にも細かな注意点やルールがあり、正しい手順で作ってこそ高い耐久力を発揮できるのです。専門的な知識や技術を持たない人が作ったブロック塀は、すぐに倒壊してしまいかねません。


そのため、ブロック塀の点検・撤去・補修は、専門業者に依頼するのが原則です。プロの技術なら、今あるブロック塀の状態を正確に判断し、とても頑丈で安全なブロック塀を作ることができます。ご自宅に古いブロック塀があって心配な時や、より頑丈でおしゃれなブロック塀を作りたい時は、まず専門業者に相談してみましょう。



髙野は駐車場、庭、門扉などの外構リフォームを得意としております。ブロック塀の施工実績も豊富で、強度や法令遵守、そしてデザインにまでこだわった高品質な施工が可能です。補助金制度にも詳しく、予算内で最大限にご要望を反映させたプランをご提案いたします。外構・エクステリアのことなら、何でもお気軽にご相談ください。