【徹底比較】エコモックフェンスは天然木よりデメリットが多い?

皆さんこんにちは。

神奈川県座間市と海老名市を拠点に、住宅の外構・エクステリア工事や景観コンクリート工事を手掛ける株式会社髙野です。


住宅にフェンスを作る時の素材としては、主に木材(天然木)や金属などが使われますが、近年では新たな素材も登場しています。その1つが「エコモック(ECOMOC)」です。


「エコモックは天然木よりもデメリットが多いからやめた方がいい」という話もありますが、実際のところはどうなのでしょうか? 今回は、エコモックフェンスと天然木のフェンスを徹底比較し、エコモックフェンスの特徴や注意点を詳しくご紹介します。




■人気急上昇中! エコモックフェンスとは?



エコモックとは、⽊材とプラスチック廃材を複合リサイクルして製造する素材です。樹脂に木粉を混ぜ込み、表面に削り加工(サンディング)を施すことで、天然木に近い風合いを実現しています。材料が廃材なので自然に優しく、環境配慮型の次世代素材として注目されています。


エコモックで作られたフェンスは、天然木に比べて腐りにくい、色あせしにくい、塗装が不要、割れ・ささくれが発生しにくいなど、さまざまな機能があるのが特徴です。また、独自の設計と技術開発により、形状・カラー・専用パーツ・金物類も豊富に用意され、用途や好みに応じて使用できます。




■エコモックフェンスと天然木の違い



天然木にはいろいろな種類があり、大きく分けると「ハードウッド」と「ソフトウッド」があります。ハードウッドは文字通りとても硬い木材で、広葉樹(イペ・ウリン・セランガンバツなど)が主な材料です。反対に、ソフトウッドは柔らかい木材で、針葉樹(カラマツ・ヒノキ・スギなど)を主な材料としています。


エコモックのような再生木材に性能面が近いのは、硬いハードウッドの方です。そこで、エコモックとハードウッドの性能をさまざまな観点から比較してみましょう。


・価格帯

天然木は天然素材のため、高品質ではありますが高価です。大きな住宅で広範囲にフェンスを設置するような場合は、総費用がどうしても膨らんでしまうでしょう。一方、エコモックフェンスはリサイクル素材を使っているのに加え、各部材をシリーズで共有化・標準化することで、低価格を実現しています。その他の性能の高さもあって、コストパフォーマンスは抜群です。


・腐食性

天然木のフェンスは、木材の宿命として腐食する可能性があり、シロアリ被害のリスクもあります。ハードウッドはソフトウッドに比べて防虫・耐腐食性が優れていますが、それでも防虫加工・防腐処理は欠かせません。その点、エコモックフェンスはプラスチックと木粉を配合して作られるので、防腐処理を施さなくても腐食しにくく、シロアリの食害にも強い耐性があります。


・色褪せ

天然木は、年月の経過によって色が落ちて「白銀化」し、見た目が白っぽくなります。塗料の塗布などによって防ぐことはできますが、こまめなメンテナンスが必要です。「白銀化」を1つの魅力として楽しむ方もいますが、予想していなかった場合は見た目の変化に困ることになるでしょう。


しかしエコモックフェンスなら、多少色褪せはしますが極端に変色することはありません。メンテナンスなしでも、長期間にわたって設置当時の外観を維持できます。


・割れ、ささくれ

天然木は、種類によって程度の違いはありますが、年月が経過すると必ずささくれが発生します。また、夏場に気温が上がったり直射日光が当たったりすると、乾燥などによって表面が割れる可能性があります。これは見た目を損ねるだけでなく、耐久性や安全性にも大きく影響するでしょう。


一方、エコモックフェンスなら経年後にささくれることはありません。割れもほとんど発生しないため、年月が経過してもボロボロにならず、美しく安全な状態を保てます。


・定期メンテナンスの必要性

天然木のフェンスを維持するためには、防腐・防虫処理や塗装といった定期的なメンテナンスが必要不可欠です。当然、設置した後にもメンテナンス費用が継続して発生することになります。


しかし、エコモックフェンスは腐食・湿気やシロアリに強く、経年による色褪せもわずかなので、定期的なメンテナンスはほとんど必要ありません。そのため、定期メンテナンスの費用や手間も抑えることができます。反りなどの不具合が生じた時に、修理・交換が必要になる程度です。


・加工性

天然木のハードウッドは非常に頑丈である反面、加工する際には専用の工具が必要です。また、硬質であるがゆえに、曲げ加工などには向いていません。その点、エコモックフェンスは、ソフトウッドと同じ道具でカットや穴開け加工が可能です。板厚が薄いものなら、曲げ加工を施すこともできます。


・質感・色合い

天然木の質感・色合いは、言うまでもなく素晴らしいものです。一方、エコモックフェンスも木粉のブレンドやサンディング加工により、質感・色合いともに天然木に近づけています。木の持つ温かみを感じられる、ナチュラルな仕上がりを楽しめるでしょう。


以上のように、エコモックは天然木に比べて多くの点で優れています。ご自宅にフェンスを設置するなら、エコモックフェンスは有力な選択肢となるでしょう。




■エコモックフェンスの注意点・デメリット



エコモックフェンスは非常に高性能ですが、いくつか注意点・デメリットもあります。それをよく理解せずに設置すると、早い段階での劣化や破損といったトラブルが発生しやすくなります。


「エコモックフェンスはデメリットが多いからやめておけ」という意見も、そういった失敗に基づいているのです。トラブルを防ぐためにも、エコモックフェンスの注意点を確認しておきましょう。


・温度変化による伸縮や反りに注意

エコモックフェンスの材料である樹脂(プラスチック)は、温度変化によって伸縮する性質があり、反りが発生することもあります。フェンスは屋外に設置されますから、日当たりや時間帯・季節による気温の変化によって必ず伸び縮みします。フェンスの板材の間に設ける目地(空隙)や下穴は、この伸縮を吸収するためのものなのです。


もし伸縮の大きさに対して目地の幅が足りていないと、板材に亀裂が入ったり変形したりする可能性があります。寒暖差が激しい地域(少し暖かい寒冷地など)にお住まいの方は、特に注意しなければなりません。直射日光が当たる夏場だと、昼と夜で表面温度に50℃以上もの差が生じるケースもあります。


伸びしろ・縮みしろに余裕を持たせることが最も有効な対策なので、目地は適切な幅を設け、ネジ穴も大きめにすることが大切です。エコモックフェンスは伸縮を繰り返しながら、施工場所の環境になじんでいくものだとお考えください。


・水につかっている場所や多湿の場所では施工しない

エコモックフェンスは木粉が含まれているため、天然木ほどではありませんが水分を吸収し、伸びる可能性があります。といっても、雨が降った時などにすぐ伸び始めるわけではありません。また、多少伸びたとしても、板材の間の目地で吸収することができます。


注意が必要なのは、継続的に高い湿度にさらされる場合です。このような環境では想定以上の伸びが発生し、板材の反りや浮きといった不具合が生じるのに加え、伸びた素材の端部が隣の構造物に当たって破損させるなど、思わぬトラブルを招くことがあります。


そのため、エコモックフェンスを施工する際は、水気・湿気対策を十分に行うことが大切です。水につかっている場所や多湿の場所での施工を避けるのはもちろん、通気性や水勾配の確保、排水ドレーン・雨水枡の設置など、排水計画をしっかり立てましょう。


・難燃・不燃性素材ではないことに注意

エコモックフェンスは樹脂を含んでいるため、木材よりも燃えにくそうに思えるかもしれませんが、実際は可燃性です。難燃・不燃性素材ではないので、近くで火を使ったり加熱したりすると、燃焼・変形するおそれがあります。


火災や事故につながるのを防ぐためにも、エコモック製品の上や周囲で焚き火やバーベキューをしたり、ガスコンロを使ったりしてはいけません。また、熱風の出る排気口や燃料タンクなどの付近には設置しないようにしてください。


・メーカー保証がない

エコモックフェンスには、原則としてメーカー保証がありません。早い段階でひび割れや反りといったトラブルが発生したとしても、お客様のご負担での修理・交換となります。そのため、上記の注意点をよく理解し、自宅に設置してもいいかどうかを十分に検討することが大切です。施工を希望する方は、まずエコモックフェンスの施工実績が豊富な業者に相談するといいでしょう。




■エコモックフェンスは豊富な種類がそろっています



エコモックフェンスは、種類も豊富に用意されています。大きく分けると、「エコモックフェンス オリジナル」と「エコモックフェンス モクメ」があります。「モクメ」は木目柄を追求し、より天然木に近づけたタイプです。ナチュラルさを出したい場合や、天然木のフェンスからのリフォームで印象を変えたくない場合は、「モクメ」が適しているでしょう。


色味は「オリジナル」がブラウン・グレージュ・サンディブラウン・シックグレーの4種類、「モクメ」がモカ・グレージュの2種類で、合計6種類から選ぶことができます。また、柱色はマットブラックとステンカラーの2種類が用意されています。


板材の幅も145mmと60mmの2種類あり、カラーとサイズ、隙間間隔を自由に組み合わせて設置することが可能です。きっと皆様の気に入るエコモックフェンスが見つかるでしょう。


もちろん、前述したように注意点もあるため、デザイン面だけでなく機能面にも注目し、設置が可能かどうかを検討する必要があります。外構・エクステリアは環境の影響を強く受けるので、地域の気候に精通した地元の業者に相談してみるといいでしょう。



髙野は駐車場、庭、玄関、門扉、ブロック塀などの外構リフォームを得意としております。エコモックフェンスをはじめとするフェンス・柵の施工実績も豊富で、強度や耐久性はもちろん、デザインにもこだわった高品質な施工が可能です。補助金制度にも詳しく、予算内で最大限にご要望を反映させたプランをご提案いたします。外構・エクステリアのことなら、何でもお気軽にご相談ください。


髙野の施工事例はこちらからご覧ください。

https://www.takano-ex.jp/gallery